業務用台車製造のノウハウを活かし「家庭用台車」という新ジャンルを市場に創出した。
オリジナル台車のメーカーとしてバラエティ豊かな商品を開発。
日東で台車の設計・製造がスタートしたのは2000年代のことです。きっかけは、とある物流倉庫のお客様から倉庫で使用する台車をつくれないかとお声がけをいただき、連結して使える平台車を開発したことでした。その後、オリジナリティに溢れた家庭用台車の生産をスタートさせ、現在はバラエティに富んだ製品ラインナップを実現しています。ここでは、当時の市場ではまだ珍しかった「家庭用台車」の開発の裏側に迫ります。
業務用から家庭用への発想の展開。
業務用台車の開発・製造事業が軌道に乗り、商社様との取引の中で通販サイトでも日東の商品が取り扱われるようになったころ、サイトに寄せられた一つの書き込みが目に留まりました。それは、「台車を家の中の収納スペースで使っている」という趣旨の書き込みでした。
今後の台車開発の方向性を探っている中で、光明が見えた瞬間でした。なにしろ当時は台車と言えば業務用で、家庭で使用するという発想が一般的ではありませんでした。業務用として売り出していた台車は600mm× 400mmという大きめのサイズ。家庭での使い勝手も考えたコンパクトな形状の台車を開発すれば、多くの人に受け入れられるのではという考えのもと、家庭用台車の開発をスタートさせました。
生活シーンをイメージし、家で使うための仕様を突き詰めた。
家庭の中で使うにはどんな用途があるのか、まずはそこから発想を巡らせていきました。押入れから段ボールなどを出し入れする際に、土台として使えれば便利かもしれません。また、パソコンやプリンターの土台に常時設置できるサイズや形なら、部屋の掃除や模様替えの際の手間も削減できます。インテリアにマッチするようなシンプルな色、形も重要です。
また、家庭内のフローリングの上で使用することを想定し、床を傷つけない素材をキャスターに使用する必要があります。女性でも持ち運びが容易なように、小ささや軽さも重要なポイントです。
そうした試行錯誤のもと、現在もヒットが続く「ホームキャリー」や「お手軽キャリー」といった日東のロングラン商品が誕生しました。
その後の販売にも苦労を重ねました。なにしろ、台車を家庭で使うという発想がまだ一般的ではないために、ホームセンターでは台車売り場に他の台車と同じように展示されてしまいます。日東の台車のオリジナリティをPRするためには、収納コーナーなどでの販売がもっともマッチするはずです。そのため、店頭でのPR方法を地道に伝えていくなどの活動を通して、販売を徐々に軌道に乗せていったのです。
日東のものづくりノウハウ
樹脂成形加工における金型設計のノウハウ。
台車はプラスチック製であり、樹脂成形加工でつくります。そこで重要なのが金型の精度や耐久性です。金型は長く使っているとどうしても形状が変化したり、劣化したりします。頻繁にメンテナンスを行えばそれだけ製造コストが上昇してしまいます。生産効率やコストを踏まえた上で、どのような金型が最適なのかを導きだす日東のノウハウが、台車製造にも活きています。
ニッチな商品づくりに挑む。
台車は非常にシンプルな商品だけに、着眼点が重要です。家庭で使う、女性でも手軽に持ち運びができる、日東がこれまでに開発してきた商品は、「誰にどんな風に使ってもらうのか」という着眼点を大事にしてきました。その姿勢は今後も変わりません。生活者への新しい提案ができる商品づくりにこれからも挑んでいきます。
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