INTERVIEW 06 製造の仕事とは?
常に新鮮で、全然飽きない。
だから楽しい。
製造部 溶接チーム 川島 智南(カワシマ トモナ)
今日は加湿器の部品で
明日は製パン用オーブンの部品?
日東が製造するモノの種類は幅広い。会社が製品ジャンルを問わず、ものづくりをしているので実際に製造を担当するモノが毎日ガラッと変わるんです。基本的には産業機器関連の部品を溶接することが多いですが、その種類は様々。カタチも大きさも全然違います。
例えば、制御盤と呼ばれる装置の四角いカバー。制御盤と一括りに言っても何個も種類がありますから、自分の身長よりはるかに高いものも存在します。大きいと溶接もなかなか大変です。他には、業務用加湿器の水を貯める用のタンク。水漏れNGのため、ちっちゃなスキマができることも許されません。たくさんある部品の中でもズバ抜けて溶接難易度が高かったりします。
あとは、地下鉄のホームドアも製造しています。たくさんの人が目にするモノだと思うと、隠れてしまう部分の溶接ですらすごく緊張してしまいます。さらに、産業機器以外の製品が舞い込んでくることもあります。最近はパンを作る時に使うような大きな業務用オーブンの部品なんてモノも溶接しました。
ちなみに、いま紹介したモノはほんの一部。そのくらい取り扱う製品の幅が広いので、「今日はこの部品で、明日はあの部品」と変化する。同じモノをつくる毎日の繰り返しではないので常に新鮮な気持ちでものづくりをすることができるのです。
グニャグニャ曲がらないようにするには、
どうすれば良いんだろう?
毎日違う製品や部品を担当できると何が楽しいのか。私は、つくるモノによって必要な技術や頭の働かせ方が変わってくることが新しい発見の連続で楽しいなと感じています。カタチや大きさ、そして材質だって部品によって全然違いますからね。
例えば、材質がステンレスの部品。ステンレスって熱が通りやすい金属なので熱を必要以上に与えてしまうとダメなんです。スルメを焼いた時みたいにグニャグニャ変形してしまいます。だから、ステンレスという材質に合わせて熱を加える時間を試行錯誤したり、スキルを磨かないといけないのです。
ここで少し大変なのが、完璧なマニュアルが存在しないということ。実は、同じ部品に対してみんなで溶接する順番や熱を与える時間などを揃えたとしても全く同じ完成形にはならないんです。それは、経験値の違いはさることながら、利き手が違うとか、作業時の姿勢が違うとかちょっとした要因ですら影響してくるから。他の人の正解が自分にとっての正解ではなかったりするんです。
だから、担当するモノが変われば、毎回、どのような熱の加え方がベストなのか、どこから溶接していくと歪みが少なくなるのか、と自分の技術や経験、時には勘も頼りにしながら脳ミソをフル回転させて方策を練っていく必要がある。10年経った今でも常に発見と勉強の連続です。毎日違うモノを生み出すものづくりって全然飽きがこない仕事だと強く実感しています。
焦らず綺麗につくる、を大切にしてほしい
入社10年目を迎えた2024年。10月から溶接チームの主任になりました。誰がどの部品を担当するのか決定したり、納期や品質の部分を管理したり。さらに考えることが増えて、頭がパンクしてしまいそうなのが本音です。でも、一つだけ徹底したいと思っていることがあります。
それは実際に作業をされる方に必要以上の緊張感を持たせないということ。焦らないといけないような納期で作業を任せたり、スキル以上のモノを押し付けたり、数を作ることが第一になってしまうような無茶振りは絶対にしたくない。その人にとって、ちょうど良い緊張感の中で一番綺麗に溶接できる状態をつくってあげたいと思っています。経験が大事だということを私が一番、身をもって感じてきましたからね。
闇雲に作業をするのではなく日々頭を働かせてスキルアップしていってほしい。そのために私ができることをまだまだ試行錯誤している真っ最中です。
PROFILE
川島 智南(カワシマ トモナ)
入社:2014年 所属:製造部 溶接チーム
愛知県立春日井工業高校(現:春日井工科高校)電子機械科卒。イチから何かを作り出すのが好きで、凝り性。小さい頃からプラモデルなど何かを集中して組み立てたり、くっつけたりする細かな作業にハマっていた。そのため、ものづくりについて学べる工業高校に進学。マルチにものづくりに関わりたいと思い、機械や電気など幅広く知識を身につけながら、様々な工作技術も身につけていた。

入社動機
様々な製品や部品を製造している日東なら、板金加工、プレス加工、プラスチック加工などを複合的に学ぶことができると思ったのが一番の入社理由。また、当時の学校の先生から「高校の中でも評価が高い会社」「面倒見が良い印象」という話を聞いたことが安心材料となり、他社と迷うことなく入社を決意した。
